▼この記事の主な内容
- フリースクールは出席扱いできるのか
- 出席扱いにするデメリットはないのか
- 出席扱いを申請する際のポイント
フリースクールを検討しています。
フリースクールは出席扱いできるんでしょうか?また、出席扱いにするデメリットがないか不安です…
お子さんが不登校の場合、学校以外に通える居場所が欲しいですよね。
不登校のお子さんの居場所の代表格が「フリースクール」です。
文科省は、学校以外の教育活動を出席扱いにすることを認めていますが、フリースクールは出席扱いの対象になるのでしょうか?
本記事では、不登校当事者&フリースクール指導員経験者のりよせんが、フリースクールを出席扱いにする際の大事なポイントや、問題点をお話ししていきます。
▼結論を一発チェック!
- フリースクールは出席扱い可能
- フリースクールを出席扱いにする問題点は「授業濃度の違い」「復学の意欲を下げる可能性」
- 保護者からの申し出が必要はケースが多い
フリースクールは出席扱いできるのか
YES!
小学生・中学生・高校生、全ての学年のお子さんが、フリースクールの通学を学校の出席扱いにすることできます。
ただ、出席扱いを実現するには、文科省の指定する要件をクリアする必要があります。
【出席扱いをするための要件】
- 保護者と学校との間に十分な連携・協力関係が保たれていること
- 教育委員会等が設置する教育支援センター等の公的機関であること
- 公的機関に通うことが困難な場合は、一定の条件をクリアした民間機関も可
- 通所又は入所して相談・指導を受けること
- 学校側は学校以外の施設での学習評価を適切に行い、指導要録や通知表を用いて保護者や学校以外の施設に伝えること(小中のみ)
これらの5項目を満たしていると校長先生が判断すれば、出席扱いが可能になります。
また、フリースクールは民間機関なので、項目③の一定の条件をクリアしていることが必須です。
フリースクールを出席扱いする際の2つの問題点
フリースクール自体の問題点ではなく「フリースクールを出席扱いにすることの問題点」をご紹介します。
- 1コマの授業の濃さに差が出る
- 復学の意欲が低くなる可能性がある
フリースクールそのもののデメリットを確認したい方は↓こちらの記事をご覧ください。
1コマの授業の濃さに差が出る
フリースクールの1コマが、学校の授業の1コマより内容が薄い可能性があります。
フリースクールはカリキュラムが決まっていませんし、お子さんの調子に合わせて指導してくれるのが魅力です。
その代わり、学校を同じ濃さの授業を望めないことも。
学校との取り決めで、1コマの濃度差が出ないように調整されてはいますが、フリースクールの方が授業内容(特に学習面)は薄め傾向なのでご注意ください!
ただ、学校で習えなかった部分の指導を希望する場合は、フリースクールがピッタリです!
復学の意欲が低くなる可能性がある
フリースクールの居心地が良すぎるために、復学の意欲が削がれることがあります。
手厚いサポートを受け、共感できる仲間や先生に囲まれ、さらには出席扱いにもなるため、フリースクール依存の状態も招きかねません。
フリースクールが居場所になることはとても良いことですが、フリースクールは卒業の経歴にもなりませんし、一生通うことはできません。
いつか、なんらかの形で社会に戻っていく必要があります。
そのことを認識した上で、フリースクールの出席扱いを検討してください。
フリースクールは「回復の場」「方向性が決まるまでの居場所」として捉えるとちょうど良いと感じています。
フリースクールを出席扱いにする手順
- 一定の条件を満たすフリースクールに通う
- フリースクールのスタッフに出席扱いについて相談する
- 担任の先生に相談する
- 校長先生を交えて、出席扱いの要件を満たしているか確認する
- 出席扱いのルール作り
上記がフリースクールの通所を出席扱いにしたい場合の、大まかな流れです。
もっと噛み砕くと、こんな感じ。
フリースクール探し▶︎フリースクールに相談▶︎学校に相談▶︎校長判断を待つ▶︎承認されたらルール決め
出席扱いを始めるための具体的なステップは、↓こちらの記事でご確認ください。
特に覚えておいてほしいポイント
出席扱いをするにあたって、特に親御さんに覚えておいてほしいポイントはこの3つです。
【覚えておいてほしいポイント】
- 文科省の規定にあてはまるフリースクールかどうか確認が必要
- 校長先生が最終判断くだす
- 保護者から申し出る必要がある
文科省の規定にあてはまるフリースクールかどうか確認が必要
まずは、通っている(通おうとしている)フリースクールが文科省の規定に当てはまるかをチェックしてください。
フリースクールの内情に関する項目があるので、親御さんだけで判断せず、フリースクールのスタッフや学校の先生と連携をとりながら確認するのがベター。
基本的に、出席扱いの前例があるフリースクールの場合は、規定をクリアしていると考えてOKです。
運営がしっかりしているフリースクールであれば、クリアできる要件ばかりです。
校長先生が最終判断くだす
出席扱いの可否の最終判断は「通っている学校の校長先生」です。
他の学校で出席扱いの前例があるフリースクールであっても、お子さんの通っている学校の校長先生がOKを出さなければ出席扱いはできません。
校長先生に正しく状況を伝えるためににも、ご家庭・学校・フリースクールの連携は密にとっておきましょう!
保護者から申し出る必要がある
学校の先生から、出席扱いの話を持ちかけてくれることは少なめ。
残念ながら、不登校に関する制度を知らない先生も多いのです。
そのため、フリースクールへの通所を出席扱いにしたい場合は、親御さんから申し出る必要があります。
国の制度は「申請すれば」恩恵を得られるというシステムが多いです。
知らないと損してしまうケースが多いので、制度の知識は積極的にチェックしましょう!
まとめ:フリースクールは出席扱いできることが多いが、問題点もある。
本記事では、フリースクールの通所を出席扱いにする手順や問題点を、大切なポイントに絞ってお伝えしました。
【要点まとめ】
- フリースクールの通所を出席扱いすることはできる
- ただし、要件を満たす必要がある
- 出席扱いにする問題点は「授業濃度の違い」「復学の意欲を下げる可能性」
- 最終判断は校長先生
- 保護者から申し出なければならないことも多い
フリースクールを出席扱いすることに大きなデメリットはありませんが、授業濃度の違いや、復学の意欲に影響を与える可能性を頭に入れておいた方がいいでしょう。
↓こちらの記事で詳しく紹介していますが、フリースクールをあくまで「回復の場」「方向性が決まるまでの居場所」と捉えていれば、出席扱いのデメリットが発生することはほとんどありません。
もっと詳しく出席扱いについて知りたい方は、↓こちらの記事をご覧ください。