不登校の我が子が、ずっと家に引きこもっている…
将来が不安でたまりません。
学校に行けなくなったことがきっかけで、ずっと家に引きこもってしまうお子さんは少なくありません。
また、引きこもることで、体力やコミュニケーション力、自信を失い、不登校のきっかけである原因が解決してなお、社会復帰が難しくなるケースもあります。
この記事では、お子さんの引きこもりを心配する親御さんのために
- 引きこもりの小中学生の将来をデータで見てみる
- 長期化を防ぐ方法
- リバウンド(復帰したが、また引きこもる)を防ぐ方法
などをお話しします!
- 転校をきっかけに中学不登校
- 高校は無事進学校へ
- 次は自分が恩返しする番!と支援する側に
- 職歴:通信制高校教員・フリースクール・発達支援
- 不登校カウンセラーなど複数のカウンセラー資格あり
引きこもりの小中学生の将来をデータで見る
文科省の調査(H26)で、不登校のお子さんの中学校卒業時の進路が発表されています。
高校も行かず就職もぜず・・・と完全に社会と離れたままのお子さんは8.4%と少数派です。
それ以外のお子さんは、不登校経験があっても、8割以上が高校に進学しています。
今は通信制高校も充実していて、高校進学も難しいものではなくなったのが嬉しいところ!
私も通信制高校の教員をしていましたが、小中学校でうまく学校に馴染めなかったお子さんも、楽しく学校に通い、立派に卒業していく子が多数でしたよ!
どんなお子さんの引きこもりが長期化しているのか
親御さんが気になるのは、お子さんが『進学も就職もしない8.4%』にあたり、永遠の引きこもりになってしまうのでは・・・?
という点だと思います。
完全に明言はできませんが、教育現場からの所感を申し上げますと、引きこもりが長期化しやすいお子さんは精神的に何らかの疾患があるケースが多いです。
(病院に行っていない、隠れ精神疾患のお子さんもいらっしゃいます)
うつ病、双極性障害、対人恐怖症、パニック障害…など、社会生活に支障をきたす精神疾患があると、治るまでは社会生活が難しい傾向にあります。
精神疾患はれっきとした病気です。
心の病…と言われたりもしますが、脳機能の病といっても過言ではありません。
気の持ちようや根性論、休めば治る…などと楽観視しすぎず、心療内科や精神科の受診をしてみてください。
あうお医者さんを見つけるまでに消耗してしまうケースもありますが、今はネットで病院や先生の様子、口コミも気軽に見れます!
お子さんが「行ってみようかな…」と思える病院を一緒に探してみてくださいね。
回復が見込みやすいケース
復学や社会復帰しやすいのは、通っている学校限定のトラブルに起因する不登校(先生・クラスメイトとのトラブルなど)です。
このようなケースは、クラス替えや進学を機にストレス源と離れることができるため、通常の学校生活・社会生活を取り戻しやすいです。
ただ、きっかけは学校内のトラブルだったとしても、精神疾患を発症してしまうと、社会復帰が難しくなります。
不登校で焦る気持ちはとてもよくわかりますが、不登校をきっかけに病気になってしまう方が、復帰に時間がかかります。
『病気にならないように休ませる』『病気治療にかかる時間を思えば、急がば回れ』の精神でお子さんを見守っていただければと思います。
一時的に回復しても、またぶり返す可能性がある
人格の基盤ができていない成長期に不登校になったお子さんは、自分の『ストレス解消法』を知らないまま成長していることが多いです。
そのため、一時的に学校や社会に復帰できたとしても、外界のストレスを消化できずに再び引きこもってしまったり不登校になってしまったりする可能性があります。
ストレス解消が苦手なお子さんの特徴は
- 基本的な安心感が育っていない
- 自分の負の感情を認められていない
- 自分の負の感情の手放せない
などです。
成長期に学校(社会)や家庭で得ていくはずのスキルですが、イレギュラーな状態になってしまったことで、会得できないまま歳を重ねたお子さんが少なくありません。
ですが、不登校や引きこもりになってしまったら全員ストレス解消スキルを学べないかと言ったら、そうではありません。
ご家庭での関わり方ひとつで、ストレス解消スキルを伸ばすことができますよ!
ストレス解消上手になるために親御さんができること
お子さんの全ての感情を認めてください。
また、あらゆる感情を持っていいのだと伝えてください。
不登校の間、お子さんが泣いたり怒ったり罵詈雑言を吐いたり…色々葛藤はあるでしょうが、感情が湧き出ること自体は悪いことではありません。
こんな感情を持ってはいけない…と、自分の感情を自分で否定するようになると、感情が抑圧され(抑圧感情)、精神疾患やアダルトチルドレンのような生きづらさにつながってしまい、ストレス解消どころではなくなってしまいます。
お子さんも結構ハードなことを言うので、対応する親御さんは大変だと思いますが…><
例えば「お母さん(お父さん)の〇〇が嫌だった!!」とお子さんが声を荒げたとします。
親御さんは良かれと思ってやっていたり、子供独特の甘っちょろい考えだったりすることもあるでしょう。
でも、『嫌だった』と言うお子さんの気持ちは尊重してあげてください。受け入れてあげてください。
その後で「良かれと思ってやったんだけどな」「言い方が傷つくな」など、親御さんの気持ちを伝えてください。
『どんな感情を持ってもいいんだ』
という安心感は、大袈裟でなく『生きる安心感』に繋がります。
また、自分の感情が尊重されることを覚えれば、他者の感情を尊重することも覚え、自然と対人の抵抗感が和らいでいくケースもあります。
どうすれば引きこもりの長期化を防げるのか【5箇条】
- 病気になる前に休む
- 休むことが今は重要だと伝える
- 病気になったなら、適切に治療する
- ストレスや負の感情の解消方法を身につける
- 成功体験を積む
一時的な不登校(引きこもり)で終わらせるには、まずは治療に時間を要する病気にかからないことです。
次に、不登校になった原因を排除。(トラブルと距離を置く、ストレス解消上手になっておく)
そして最後に、復帰の第一歩を踏み出すには、不登校中に失った自信を回復させましょう。
自信を回復するには、学校生活で必要な
- 体力
- 人間関係
- 勉強
の3点に関する成功体験を積んでおくといいです。
小さいことで構いません!
仲が良い子や心を開いている人と、1日お出かけができれば体力や人間関係に少し自信が持てるでしょう。
また、自宅で学習できる教材で遅れを取り戻したり、今からやる範囲を予習したりすれば、授業に戻るハードルも下がります。
今はタブレット教材など自宅学習用の教材も多種多様なので、積極的に活用してみてください。
日常的に、親御さんはお子さんにどのように接していけばいいのか
- お子さんの感情の全肯定
- 子の感情を受け入れてから、親の気持ちを伝えるのはOK
- 本人ができることを先回りしてやってあげる必要はない。頼まれたら手伝ってOK
- コントロール目的のハシゴ外し(経済的な援助を切るなど)をしない
- お子さんが興味を持ったものは、可能な範囲で提供する
多分5つ目の「お子さんが興味を持ったもの」の選択は迷うと思います。
わかりやすく健全なものであればいいですが、ゲーム・スマホ・動画…など不健全に感じるものに興味を持った場合はどうすれば…?と。
私個人としては、適切な範囲で与えていいと思っています。
禁止されるほど興味を持ちますし、『没頭する』ことには、ストレス解消の効果があります。
また、動画・SNSなどは在宅で稼げるスキルでもありますし、会社員になった時にマーケティング部門で活躍できる可能性も。
過度な没頭(寝食を忘れる・休憩を促すと怒る)が見られない限り、親御さんの管理下でチャレンジさせてあげてほしいな、と思っております。
*個人の見解です
まとめ
本記事では、不登校・引きこもりのお子さんの将来をデータで確認し、長期化の事例や、長期化やぶり返しを防ぐ方法をお伝えしました。
学校生活を送れていない我が子に、不安になったり焦ったりすることがあると思います。
日常的に胸が苦しい状態の親御さんも多いのではないでしょうか。
ただ、引きこもりの長期化の主な原因は『病気』にかかってしまうことです。
学校に行かせることより『病気にさせない』ことが、最短ルートです。
復学や社会復帰を目指すのであれば、ご紹介した『お子さんにストレス耐性をつける方法』や『日常の接し方』を参考にしてみてくださいね^^